中元すず香のエピソード考察

中元すず香のエピソードを心理学見地から考えてみると

kutuhimo中元すず香は、さくら学院の動画の中で『靴ひもが上手く結べない』と述べている。別のインタビューでは『自転車に乗れない』とも言っている。

MIKIKO先生と森ハヤシ先生との会話には『カウントで振付を覚えられない』という話があった。

一見すると無関係な事象のように思えるが、実は根は一緒で記憶の問題なのだ。

中元すず香の記憶の方法

MIKIKO先生の言によれば、中元すず香は『振付をカウントで覚えられない』『この音の時はここに居る』というように振りを覚えるという。

このことから、言語化可能な記憶である『宣言的記憶』が不得手である反面、言葉で表現できない『手続き的記憶』を行えることが分かる。

中元すず香の覚え方-手続き的記憶とは

  • 『カウントではなく音に反応して踊る』
  • 『この音の時はここに居る、というように振りを覚える』

手続き的記憶とは、技能に関することで言葉で表現することが出来ないものをいう。これ等は手続き的記憶に対応する情報だ。『歌が上手い』のもそうだろう。

振り付けの覚え方

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『カウントではなく音に反応して踊る』ということは、音とフリを関連付けて記憶する手続き的記憶を行っているからこそ行える。

カウントで覚える方法

普通は「1で右足を出して2で左手を前に」という様に『カウントで振り付けを覚える』が、この方法は言語化可能な宣言的記憶にあたる覚え方になる。

この記憶法で覚えると音楽が鳴っていなくても踊れるが、ライヴ等でグルーヴ感を出す為に楽譜と異なるリズムが演奏されると体のリズムと異なる為にダンスがずれてしまう。

音で覚える方法

それに対し、彼女は『感覚』で振り付けを覚えるそうなので「ドンで右足を出してジャンで左手を前に」(注1)というような手続き的記憶を行っていると考えられる。

この方法で覚えると、演奏される音そのものがリズムマシーンなので、音が不規則に鳴ってもダンスはずれない。
注1:文章表現の為に言語化しているが、実際は音に対応してフリを覚えているのであり、文章化はされない。

歌詞の覚え方

歌詞の覚え方もそうだ。恐らく彼女は歌詞を覚えるときに歌詞だけを暗記するのではなく音と関連付けて記憶している。『歌詞を覚えるのが誰よりも早い』というのも、これが理由だろう。

普通、歌詞を記憶するには歌詞の文字列を長期記憶の宣言的記憶に送り込まなければならないが、そのためには歌詞を一連の情報の塊となるまで関連付ける作業が必要だ。それには時間が掛かるので、覚えるのが遅くなるという訳だ。

ライヴに詳しい人によると、ステージではイヤーモニターからガイド音が流れるらしい。が、それでもBABYMETALの「悪夢のロンド」のような普通の人では歌うことすらままならない難曲をサラッと歌いこなす彼女をみていると、筆者はこんなことを想像するのだ

※説明で使用した専門用語は、記憶のページで解説している。もし理解し辛いようならば一読されたい。

自転車に乗れない理由

『自転車に上手く乗れない』と本人は語っている。当サイトの説明に『自転車に乗る方法』は手続き的記憶にあたるとある。彼女は手続き的記憶ができるはずだ。ではなぜ、自転車に乗れないのだろうか?

この問題を解くには、もう一つのエピソードがヒントになる。

『小さい頃はダンスが好きではなかった』

素晴らしい踊りを見せてくれる彼女だが、以前はダンスが好きではなかったとは信じがたい。が、これは事実である。なぜ、こうなったのだろうか考えてみよう。

皆さん、自分が子供の頃に踊りをどの様に覚えたか思い出してほしい。幼児期は集団教育なので、踊り(遊戯)は一斉に教えられたはずだ。方法は、「いち、にぃ、さん」と数えながらカウントに対応する身振りや手振りを教えられていたのではないだろうか。

もう分かったと思うが、この指導方法は踊り方を宣言的記憶に送り込む作業である。それは彼女の苦手な覚え方だ。言い換えると、『小さい頃はダンスが好きではなかった』というのは、彼女に合わない教え方をされたために苦手意識を植え込んでしまったという事なのである。

『自転車に上手く乗れない』のも指導法の問題だろうと、容易に想像がつく。普通は「いち」で右ペダルを踏んで「に」で左を・・・と言うような指導法だと思うが、これだと彼女には難しいだろう。

筆者の考えでは、きゃりーぱみゅぱみゅの「つけまつける」を歌いながらやれば乗れると思う。「つーけま、つーけま」と歌われる歌詞の「つ」でペダルを漕げば良いのだから。

つづき デロリアンと記憶の関係